我が青春

朝のウラジオストク駅にハバロスクからの列車が到着した。

ここはシベリア鉄道の終着駅である。

私は大学生の時、一年間休学をして世界に飛び出した。

横浜から船でソ連のナホトカに上陸し、シベリア鉄道でハバロスクを経てヨーロッパに向かった。1967年、初夏の事であった。

私にとってシベリア鉄道は青春のひとこまである。

余りにも懐かしいのでプラットフォームに降り、今しがた着いたばかりの列車の車掌に、特段のお願いをして車内を見せて頂いた。上下2段、1部屋4人の寝台車は当時と同じ様であった。

このホームにはロシアの国章である双頭の鷲を戴いた石塔がある。

そこにはモスクワまでのシベリア鉄道の距離「9288」が書かれてあった。 2013/8/21