誇り高い民族ブータン
ヒマラヤ山中に住むブータンの国民は誇り高い民族です。
かつて11月に訪問した時、三千メートルの峠を越えて次の村に向かう途中、満開のヤマザクラの大木にしばし我を忘れて見入っていました。
JICA 広報室
【幸せを分かち合う】
2011年3月11日―東日本大震災発生時、私はヒマラヤ山中の小さな王国・ブータンに駐在していました。
震災後、当時私の勤務していたJICAブータン事務所には、毎日のように多くのブータン人が義援金を持ってやってきてくれました。
その中に、よれよれのお札(さつ)を一枚握りしめ、山あいの農村から2日かけて峠を越えてやってきた老人もいました。老人が手にしていたブータンの最高額紙幣は、日本円にして1,500円ほどですが、ブータンの庶民・農民にとってはとてつもない大金です。
「昔、私の村に日本から青年海外協力隊員がやってきて、村の発展のために尽くしてくれた。日本が災害で苦しんでいる今、その恩返しがしたい。どうぞこのお金を困っている日本の人たちのために役立ててください。」とその老人。私は涙が止まりませんでした。
震災発生のあの年にブータンでの経験を通して気付いたことは、「国際協力」の意味や意義というのは決して小難しいことではなく、とてもシンプルなものだということでした。
それはすなわち「お互いさまの心」、言い換えれば「幸せを分かち合うこと」。誰かが持っている幸せはほんの小さなものかも知れないけれど、みんなが持っているその何がしかの幸せをみんなで分かち合うことなのだと思うのです。―仁田知樹(JICA北陸支部長)