小川 一成

示唆に富んだコメントです

佐々木 淳先生のコメントです。

コロナウイルスにより,お店を閉じなければならない方への正鵠を得たエールです。

学ばせていただきました。

ぼくが経営者だったとしても同じ選択をすると思います。

というか、僕は実際にこれまでに3つの飲食店や小売店を経営した経験があります。いずれもいい時代がありました。しかし、最終的には激しい競争の中で戦い続けることができずに整理しました。

不愉快になる人もいると思いますが、コメントされるまえに(ちょっと長いですけど)全文を読んでみてください。

あまり知られていないと思いますが、事業を起こして10年存続できるのは、個人事業で10分の1、法人で3分の1です。もともと起業する、経営者になる、とは、非常にリスクの高い選択なのです。

株式投資をしている方々の中には、今回のコロナで大幅な損害を被っている人も少なくないと思います。しかし、誰も損失補償を求めたりしません。それは、株式投資(事業への投資)とは、当然、リスクを伴うものであるという前提を理解しているからです。

でも、これは投資家だけの話じゃない。

起業家や事業経営者のみなさんも同様ですよね?

突然、流行が変化したり、景気が変化したり、時に社会のルールが変化したり、経営環境は日々いろんな変化に晒されています。災害や戦争など、自分の力ではコントロールできない事態が起こるかもしれない。

だけど、それも承知した上で、みんな起業や事業経営というリスクを選択しているはずです。

今回のコロナ感染拡大防止にあたっては、政府や自治体からの「自粛」という強い圧力がありました。こんな事態は想定していないし、要請されて店を閉めるのに補償がないのはおかしい。それは確かにその通りです。

しかし、もし自粛を指示されずに、お店を開けることができたとしても、顧客はいつも通り来てくれるでしょうか? そして従業員はいつも通りに出勤してくれるでしょうか? そして来てくれたとしても、拡大していく感染症から大切な従業員や顧客を守ることができたでしょうか?

事業は社会のニーズがあって初めて成立するものです。自分の思いを実現するのはその結果であって、従業員や顧客の利益、社会の利益を無視したところに事業目的の成就はありないと思います。

つまり、今回のコロナは自粛指示があろうがなかろうが、非常事態宣言があろうがなかろうが、事業には少なくない影響が出ていたはずです。

政権に対する不満は誰もが感じています。

だけど、事業経営者にとっての本当の敵は「事業環境の変化」です。安倍晋三ではありません。首相がだれであっても、この変化そのものは止められない。ここで敵を取り違えると、大切な時間を浪費します。

ウィズコロナ・アフターコロナの社会はどう変化しているのか。

それを見据えて、それに合わせて事業体を変化させていく。変化を乗り越え、場合によっては変化をチャンスに変える。その中には、再起の見込みの薄い既存事業を整理し、新しい事業の準備を始めるという選択肢も当然あって然るべきだと思いますし、経営者にそれくらいの意欲と覚悟がなければ、このコロナ事件がなかったとしても、いずれその事業は衰退していると思います。

ダーウィンは『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。』と述べています(※実際には本人の記述ではなく、本人の言葉を第三者が要約したものとも)。

実際、長期にわたって生存し、成長を続けている事業の多くは、ただ伝統を守ってきただけではありません。守るべきものを守りながらも、変化を続けてきています。

自動車の大量生産が始まったのは、いまから110年前。

この時に馬車の馬主たちが必要としたのは馬の餌代でしょうか?

それとも運転免許や自動車取得の援助でしょうか?

政府支援・自治体による支援は激変緩和措置として必要不可欠です。しかし、それが衰退が避けられない硬直的な事業を数ヶ月延命するためだけに使われるのであれば、その費用を実質的に負担する子供や孫の世代には本当に申し訳ないと思います。

アフターコロナに適応した新しい社会を未来の世代に残すためにも、経営者たちに真の支援を行うためにも、公的援助は意欲ある経営者の業態変化への投資、あるいは再スタートを促進できるものに重点をシフトしていくべきではないでしょうか。

大好きだったお店が閉まっていく。とても寂しいです。

もし、その店がコロナ後にも絶対に必要だ、絶対に守りたい、というのであれば、ファンとして支援することは容易です。100人のファンが、将来の買い物分または飲食分1万円を先払いしてあげるだけでも100万円が集まります。そして、お店が再開したら、少し多めにお金を落としてあげてください。お店の人も、そのほうがずっとずっとうれしいのではないでしょうか。税金(国債)だけでやってくれ、というのは僕は少し筋が違うように思います。

経営者の多くは、実は僕と同じ考え方なのではないかと思います。一般市民の方から見れば、ちょっと残酷に見えるかもしれませんが、僕らは肉食動物が昼夜闊歩するサバンナのようなところで毎日生存をかけて戦っている。だからこそ、自分の裁量で行動を選択できる自由を持ち、成功した時のリターンも大きいのです。

コロナがもたらす不況は、社会的に弱い立場にいる人々により強く影響するはずです。むしろ、そのような「個人」に対するサポートをもっと強化すべきではないでしょうか。

弱小を自認する経営者も、場合によっては事業体にこだわらずに個人としてのサポートを受けられる選択を強化すべきではないでしょうか。

「コロナのせいで」と思考停止の罠にとらわれることなく、問題の本質を何か(誰か)に転嫁してごまかすことなく、しっかりと課題に向き合い、誰にとってもよりよい「アフターコロナ」の社会が作られていくことを、心の底から願っています。

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